再開発と土地について

不動産とは

不動産ビジネスを考える上で、本質的に何に価値があるのか不動産事業者と議論をすることがあります。

個人的な意見としては、不動産は、土地が「本質的な価値」だと考えます。
「 どこに = 土地 」その建物が建っているのかで価値が変わるのです。

不動産において下記のように言われることがあります。
・日本においては、駅から徒歩5分以内のマンション価格は下がらない。
・山手線の中のマンションは、ほぼ全て億ションとなっている。
・東京3区(千代田区、中央区、港区)もしくは5区(新宿区、渋谷区)は不動産価値が高い。

当然建物にも価値があり、その建物があるから行くというケースも存在します。
・某テーマパーク
・アウトレット
・リゾート施設

ただしそれらは、一部例外であり一般的には土地に価値が帰属していると考えます。

また今回の各地権者への従前資産評価について個別提示がなされていますがその際の価値について建物と比較すると土地評価の比率が著しく高くなっているからも証明できると考えます。

建物の評価は、年数とともに下がっていますが土地の評価は下がらない。取得時の価格が著しく高い俗に言うバブル期(1986-1991)以外の安定期に取得をされた方であれば資産評価は緩やかながら向上していると想定されます。

少なからず100年後も土地の価値は0になることはないのです。

日本の土地の評価について

少し話はずれますが、何故そこまで土地に価値が生まれるのかという観点で考察してみると、諸外国と比較した日本の一番の特徴は鉄道にあると感じます。日本は、世界で一番鉄道を活用している国です。実際に世界の中で一番乗降者数が多い駅は新宿駅で2位が渋谷駅、3位が池袋駅です。日本の主要都市の土地は鉄道に強く影響をうける環境にあると考えます。

・渋谷駅は、世界的で2位の乗降者数である。
・該当地は、渋谷駅から徒歩1分程度の距離の場所である。

日本でも有数の土地を評価する上で現状の評価方法が適切であるのか、取引価格として適切に評価されているのかは、きちんと検討をすべきと考えます。

正確に理解すべきことは、渋谷駅から徒歩1~2分という立地は、世界で2番目に利用されている駅の近くに土地を所有しているということなのです。

再開発による土地所有の割合の変化

土地にフォーカスした場合、再開発に伴い土地の所有割合がどの程度変更するのでしょうか。2018年の計画値で言えば、再開発後地権者の土地は40%程度のサイズになります。60%は他の地権者に土地の所有者が変わることになります。また現状で言えば各地権者が個人で所有しているものが3地区(A、B、C地区)にて所有権は、区分所有若しくは敷地権化されると想定されます。

それにより土地と建物が一体化されると同時に割合による所持方法に変更になる為、各地権者が元の土地を所持することは二度とできなくなります。(元に戻すための協議がまとまらない)また日本においては50年経過をすれば再度建物の建て直しをする必要性がある為、追加で2回再開発が同様のスキームで実行されると100年後には数%程度の土地になってしまうのです。(ちなみに欧米では1900年築の物件が現存しており取引されています。)

今回の再開発同様のスキームを前提とする場合、

今回の再開発で約550億円の土地を差し出しことになります。(※2018年資料)
②現地権者の土地は100年後6%の約60億円になります。(再開発を計3回)

現状のスキームで進めると将来的に現地権者は、資産が消滅していくことになります。
何故このようなことになるのかは、再開発における仕組みに問題があるからです。

不動産の建て直しをして土地の保有比率は減るのでしょうか。

普通減らないはずの土地が本再開発のスキームでは、繰り返す度に減り続け結果将来「0」にされるというスキームなのです。言い換えると再開発をすることで1等地に新たな地権者を生み出すことができるスキームなのです。その地権者は、大手不動産ディベロッパーです。

また一度目の再開発を実施することで「事業協力者側が過半数以上の所有割合となり、一度再開発を実行してしまうと以後、元地権者の意見は反映されなくなるのです。
東京の都心にある一等地は再開発によって、不動産ディベロッパーの所有割合が年々高まりその場所を活用して大手不動産ディベロッパーは利益を成長させているのです。

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