再開発のストラクチャーについて

地権者と事業協力者の関係について

地権者と事業協力者は、再開発事業においてどのような関係であるのか整理をする必要性があると考えます。

①  再開発された土地・建物は、「地権者」と「事業協力者」が所有者となる
②  現状土地と建物は同じ比率で分配される(土地が40%であれば建物も40%)
③  分配される建物の場所は、準備組合という事業協力者が決めている

地権者と事業協力者は、利益の相反関係にあると言えます。

地権者は「再開発によって建設される建物の所有割合を増やしたい」 事業協力者は、「建設される建物の所有割合を増やしたい」それぞれのベクトルが向きが異なっています。

従って「地権者」と「事業協力者」は、一つの土地・建物を右の図の要に出来上がった建物を取り合う関係になっています。

東急・ヒューリックはどのような立ち位置なのか

東急とヒューリックは、渋谷を中心に不動産事業を展開しています。またそれぞれ「不動産賃貸業」を本業としてビジネスを展開しています。

事実を並べていくと
① 東急・ヒューリックは地権者である。
② 東急・ヒューリックは事業協力者である

東急とヒューリックについては、両者の立場をとっています。然しながら現状の計画における地権者と事業協力者の立場で言えば圧倒的に事業協力者側における影響が大きい事が容易に想像できます。

再開発準備組合は、東急及びヒューリックが中心となり事業計画等を考えています。営利企業である東急・ヒューリックは、事業協力者としてのメリットを最大化することが最適解になることは誰にでも容易に想像できます。(事業協力者は、従後資産の60%程度を取得することになる為地権者による利益より得られる資産割合が多い)

従って事業協力者の立場で再開発を進めることで地権者の権利を小さくし、事業協力者の権利を大きくするように自然と行動するようになるのです。

地権者にとってメリットが薄い再開発事業が設立する本質的な問題は、ここにあると考えます。

地権者はどのように考えるべきなのか

今回の再開発の事業は、全地権者の資産を投下し再開発をすることでプラスの価値を生み出そうという計画だと理解しています。

それぞれの役割がありその役割に応じて再開発におけるメリットを享受するべきだと考えられます。

地権者と事業協力者は、そもそも本事業で出来上がる土地や建物をどのように分配するのか協議をする必要性があります。

然しながら本事業においては、地権者であり事業協力者である東急・ヒューリックが新しく出来上がった土地建物の分配方法を自分達に都合の良いやり方で決めた状態で我々地権者に説明をしています。

しかも「様々な検討を行うことなく、現行の方法が最適であること」を前提に本計画は進められていると感じます。

問題点は以下3つです。
① 地権者にとって今の分配方法が最適な方法であるのか
  → 従前資産と事業費での従後資産を案分する考え方が適切なのか
② 従前資産の不動産鑑定評価は適切であるのか
→ 不動産鑑定額は、該当地に関して一般取引価格と大きく異なる
③ 従後資産の評価額はどの程度であるのか
→ 従後資産の評価及び収益はどの程度になると想定しているのか

尚、情報提供を頂いている地権者の方は、土地の資産が減り、収益が下がると証言しています。

再開発では以下が行われます。

① 容積率を倍に緩和して床面積を増やす
② 賃貸単価上げる

上記を前提で考えた上で、収益が減るということは普通に考えてありえないことであり、事業協力者の配分が多く地権者への配分が少ないこと以外に要因は考えられません。賃料単価は増えますし延べ床面積も増えるのですから本来であれば収益が増えるのが一般的だと考えます。

事業協力者は、「等価交換」という言葉を恣意的に使用していると考えます。

土地の本来の価値は、現状提示されている金額では安すぎる
その安すぎる金額と等価交換して新しい土地と建物を配分する
地権者の取り分を小さく抑えることができる

という流れなのです。

正直事業協力者は別の大手不動産ディベロッパーでも同レベルの建物を建設することは可能です。あの場所に作ることに価値が付くわけであり、田舎に同じ建物を建てても同レベルの価値は見出せません。従って再開発は該当地であるから成り立つわけであり、地権者が一番メリットを享受する必要性があるのです。

コメント

タイトルとURLをコピーしました