再開発はいつ行われるべきなのか

再開発はいつ行われるべきなのだろうか

再開発は、いつ行われるべきなのか漠然と考えてしまいます。

再開発について興味をもって調査をし始めると驚くことが多々あります。

別の資料に記載していますが「八重洲周辺」、「新橋・虎ノ門」、「新宿」、「渋谷」と東京の主要な箇所で各大手不動産会社が競争するように再開発を実行しています。

渋谷は、都市が全く別の都市に変貌するように開発されそうですが、東京の主要都市でも様々な開発を競争するように実施しています。つまり宮益坂にて出来上がった建物は同時期に他の地域の新設ビルと競合関係になるのです。

当然渋谷駅から近いということは、一定のレベルで差別化されていると考えます。

然しながら商業施設はいざ知れず大手の企業が渋谷で高額な賃料(坪4万円弱)で大量の面積を要する時代なのでしょうか。また人口や就業者が減り、テレワークも推進する中で渋谷を選ぶ必要性はあるのでしょうか。

渋谷で高額なオフィスを積極的に求めるニーズがあるとは考えにくいとどうしても思ってしまいます。主要地域で再開発が次々に行われていることを冷静に把握した上での再開発の判断が必要なのではないかと考えます。

再開発の時期についての考察

再開発をいつすべきなのか考えた場合、結論として最適な答えを出すことは困難を極めます。理由は同時並行的に再開発の計画は立ち上がっており全容を把握することが困難であるからです。

然しながら2つの要素が考えてみるのがよいのがよいのではないかと考えます。

① 老朽化し全てのビルが建替えをした後では多少再開発を進めることが難しくなる
  コストが多少あがるという話で大きな問題にはならない。
② 周辺の再開発における影響は加味する必要性があり、最初にやれないのであれば一番最後が
望ましい。

① について
現状それぞれの建物が老朽化しており、建替えをする時期はくるのだと考えられます。然しながら本来コンクリートの建物は100年持つとも言われており緊急性はないのではと考えます。

② について
周辺に再開発がなされていない状態で、最初に素晴らしい建物を建てることは大きなメリットになると考えます。周辺と比較をして同様の建物が無ければブランド力のある建物となり、ブランド力が賃料に転嫁されると考えます。ただ周囲で開発することが決まっているもしくは開発が完了しているのであれば、比較論になり、結果として後出しジャンケンをするべきだと考えます。

後出しでの開発のメリット

再開発を後出しにするメリットにはどのようなものがあるのか

周囲が開発されることにより地価が上がる可能性が高い。
→ 周辺が開発されるとそれに伴い地価は上がる可能性が高いです。
  従って従前資産の評価額が向上します。結果再開発後に割り当てられる資産が
  増えることに繋がると考えます。

⑵ 周囲の状況をみて判断できるのでリスクヘッジが容易になる。
→ 周囲に大量にビルが建設された後であれば需要がより明確になると考えます。
  従って渋谷駅周辺において供給過多になるような再開発を避けることができる。

上記を前提に考えれば、本再開発については後出しジャンケンが得をすると考えることができます。

渋谷駅周辺エリアは「100年に一度」と称される大規模な再開発が進行しているのは周知の事実です。また周囲の再開発も進んでおり宮益坂の再開発事業よりが先に建設が完了するものも多々あります。先に行った再開発により渋谷の地価は上がることが想定できます。地価が上がった場合少なからず今より地権者の従前資産評価は向上し、同額の再開発を実行しても地権者に割当される床面積が増えるという理論が成り立ちます。従ってできるだけ最後に再開発にした方が良いという結果になります。

また現状の渋谷における一番の問題は、様々な再開発が同時に進んでいることです。供給が需要を大きく上回る可能性があり、また元々渋谷の強みではない若者以外の供給量を増やしていることだと考えます。仮に過剰供給となってしまえば資産価格や賃料が暴落することに繋がります。実際、アメリカでは金利の上昇、企業のリストラ、働き方の変化に伴いオフィス施設の空室率の高さが問題になっており問題視されています。(サンフランシスコ、マンハッタンでオフィスの空室率が20%程度になっている。)

ちなみに供給過多における大企業である事業協力者への影響は軽微です。理由は、ポートフォリオを分散している(例ヒューリック社であれば、銀座等の他の場所にも不動産を所有している)為、渋谷の宮益坂で賃料が下落したり、空室が長期間発生しても致命的な損失とはなりません。問題になるのは、小規模の地権者です。仮に該当地にしか不動産を所有していない地権者にとって、開発された建物において空室が1年~2年発生した場合、また想定より安い賃料でしか貸せなくなってしまった場合、現状より多大な損失を出す可能性があります。大規模ビルの維持費等の支払いができずに全てを手放さなければならない可能性すらあります。また売却する際に安い賃料や、空室の状況下では当然想定していた金額で売却することも困難になります。

事業協力者と我々小規模地権者では、判断をするリスクのレベルが異なるのです。従って身の丈にあった正しい判断をする必要性があります。尚、再開発における事業計画の失敗は事業協力者がとるのではなく地権者の自己責任になることを正しく理解しなくてはなりません。

慎重に検討をすべきなのは小規模地権者であることを正確に理解すべきだと思います。

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